短編
無題01
一人の男が、一人の少年に薬を売った。
薬を飲んだあと眠ると、二度と起きなくなる薬。
それはつまり死であった。
少年はお小遣いを使って薬を買い、躊躇なく飲み干した。
特別眠くもなかった少年は、ブラブラ出歩くことにする。
効果なんてものは、ずっと続くらしいから。
自分が死ぬ前にもう一度、世界を見てみたかったのだ。
ただそれだけ。それだけのこと。
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